医療法人財団 湖聖会 銀座医院 院長補佐・抗加齢センター長
日本臨床栄養協会理事長
1988年米国ワシントン州立大学医学部動脈硬化研究部門に留学。帰国後、一貫して予防医療とエイジング医学・生活習慣病診療に従事。「高輪メディカルクリニック」を設立し16年間院長を務め、現在は医療法人財団 湖聖会 銀座医院で診療。
人の老化度を科学的に測るエイジングドックを開発し、銀座医院では「プレミアムドック」、東海大学では「抗加齢ドック」を立ち上げ、現在は東海大学ウェルビーイング研究所 客員教授。学会発表などのほかその結果に基づく運動・栄養療法などを実践している。また、エイジング医学、サプリメントやスポーツ医学の世界最先端の情報と実践を駆使した講演や企業のアドバイザーとしても活動。
元 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会専門委員。内分泌・糖尿病専門医。日本総合健診医学会審議員。
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Q.久保先生の専門である「エイジング医学」とは何でしょうか?「アンチエイジング」とは違うのですか?
すっかり一般的になった「アンチエイジング(抗加齢)」という言葉ですが、じつは「アンチエイジング」は医学として確立の過程にあります。というのも、日本に統一された「老化」の診断基準はなく、「診断し、その結果にともなう治療をする」という、医学の原則に当てはめることがむずかしいからです。だからといって、「アンチエイジング」が間違っているわけでもありません。現時点で老化を止めることは不可能ですが、現在も多くの先生方が「アンチエイジング」の考えに基づき、老化のスピードをゆるめるための研究に取り組んでいます。
私は25年以上にわたり、人の老化度を科学的に測定するエイジング診断を行ってきました。医学的見地から「アンチエイジング」を言い表すなら、「エイジングのケア」という言葉が最もフィットするように思います。
Q.医学的な「エイジングのケア」を意識することで、どのような効果が期待できますか?
「自分の思う生き方ができる」。この1点に尽きるのではないでしょうか。
人生に求めるものは、人によってちがいますよね?人前に立つ仕事をされる方は、見た目の若々しさを求めることが多いでしょうし、頭をつかう仕事の方なら逆に、見栄えよりも脳や身体の健康が重要と考えるかもしれません。「これさえやれば大丈夫」という万能のエイジングケアがあるわけではなく、個人、個人がのぞむ生き方を可能にするケアを考えることが、エイジング医学だと思います。
Q.エイジングのケアと「食」に関係性はありますか?
まちがいなくあります。ですが「食」に対しても、「これを食べれば老化を防げる」という絶対的な正解はありません。医学の進歩に合わせて最新の考え方は変わりますし、人それぞれの「個別性」が大切だからです。
SNSでは、「◯◯は1日何個まで」「毎日何g以上の◯◯を摂取すべき」といった単純な言い切りが拡散されやすいのですが、個別性を無視した結論は危険です。情報に踊らされるのではなく、自分の体質や生活に合った食べ物は何か、自分のめざしたい健康に必要な食べ方は何かを考える。「食」を考えることは、「自分を理解すること」にもつながります。
Q. ポップコーンは精製していない全粒穀物(ホールグレイン)です。日常のおやつに取り入れると、どんなメリットがありますか?
矢澤一良先生のインタビューでもおっしゃっていたように、ポップコーンは食物繊維が豊富ですから、食事の合間におやつとして習慣的に摂ることで、便通を促し、腸内環境の改善が期待できます。また、食物繊維にはコレステロールの吸収を抑え、排出する働きがあることから、コレステロール値のコントロールにも役立つと考えられますし、長期的に食べ続けることで、動脈硬化をおさえる効果が期待できます。
Q. ポップコーンは毎日のおやつに適した食品と言えるでしょうか?
食物繊維は1日あたりの推奨摂取量がありますが※1、日本人の食物繊維摂取量の平均値を見ると、その数字に少し足りません※2。そのすきまを埋める栄養補助的なおやつに、ポップコーンに含まれる食物繊維はちょうど良い量だと思います。それになにより、ポップコーンはちゃんと「おいしい」。私は最近、梅味を食べて「こんな味もあるんだ」と感動しました(笑)。
健康的な食事というと、つい無視してしまいがちな要素ですが、食において「おいしさ」はとても大切なんですよ。
(※1 WHO(世界保険機関)のガイドラインによると1日あたり25g。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」の1日あたりの摂取目標量は、18〜64歳の成人男性が20〜22g、成人女性が18g)
(※2 令和6年「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66279.html)
Q. 「おいしさ」は、健康的なおやつに欠かせない要素なのですか?
おいしくないものを習慣的に摂り続けることはむずかしいですし、どんなに健康的なおやつも続かなければ意味がない。私も含めて、「日本人は飽きっぽい」とよく言われますが、持続できない理由のひとつに、無理な目標を立てることがあると思います。
「健康に良い食品だから摂る」のではなく、「おいしくて、好きだからポップコーンを食べる」と考えた方が自然だし、幸せですよね。その後に、食物繊維やポリフェノールといったポップコーンの栄養成分に着目し、「習慣的に摂ることを続けてみよう」というモチベーションにつなげると結果的には長続きしますし、健康にもつながるのではないでしょうか。
